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RollsRoyce Bentley Specialist

株式会社シーザートレーディング
TEL.
042-480-2222 (
営業時間10:00~20:00)
東京都調布市西つつじヶ丘1-58-12

ROLLSROYCEHEADLINE

ROLLS・ROYCE

  MAKER ROLLSROYCE 
  MODEL


SILVER SHADOW 2



  YEAR 1980'
  EXTERIOR ACRYLIC-WHITE


(アクリル・ホワイト)ソリッド
  INTERIOR

MAGNOLIA・LEATHER


(マグノリア・コノリー)オリジナル

  PRICE \ ASK 
  MILEAGE 47.510 km
  AMMENITIES





ディーラー車 左ハンドル  1980年モデル(国内:1982年5月登録)3オーナー




V8 OHV 6.75L  3速コラムAT




全長: 520cm


全幅: 182cm


全高: 152cm




重量:2200kg


定員:5人





装備:





・パワステ、パワーウインド、エアコン、Fパワーシート、他




・オリジナル「ラジオ」



・オリジナル「オーディオ」



・オリジナル「コノリー」レザー







*外装:当社にて仕上げ済み(=キズ・クラックなし)





稀に見る超極上車!




車検:2024年(令和6年) 9月11日まで



 
  COMMENT





「シルバーシャドウU」物語










1965年に「シルバークラウド」の後継モデルとして登場した「シルバーシャドウ」は



1977年:大幅改良で当「シャドウU」となる。




「最善か無か」




当初の社内開発コードは、「チベット」(ロールス社は基本、開発コードを東洋の小国名



にしていた)、後に、ベントレー版プロジェクトの「ビルマ」と合体して、開発コードが



「SY」に改められる。



シルバーシャドウを総称して「SY」系と呼ぶ。 のは、「マニア」だけ。





ロールス・ロイス社初のモノコックボディに全輪独立懸架、全輪ディスクブレーキ、



ハイドロシステム(ブレーキとショックに)を持つ最新鋭機で、1977年に



「シャドウ2」にマイナーチェンジするまで、17年間でトータル「16.717台」の



ショートホイール・ベースと「2780台」のロングホイール・ベースが生産された。



この台数は、過去(シャドウまで)のロールス・ロイスのモデル中で最も多く、そのボディ



デザインは、のちの多くの高級車に影響を与えることとなる。







しかし、シルバークラウドVが、1962年に発売されたばかりだというのに、



早くも 1965年 新型モデル投入とは、、



これは、1963年に発表された「グロッサー・メルセデス600」に対向するため・



以外に
は考えにくい。(*お陰で、クラウドVは、2809台の生産にとどまる)





「600」は、戦後のメルセデスがロールスロイスに対向するため発表したモデルで、



たしかに、「600」の油圧システムは、当時としては超画期的なもので、天下のロールス・



ロイス社でさえ、一目も二目も置かざるをえない車であった。



この「600」を見て「シャドウ」デビューが前倒しされたのは間違いなかろう。



もう少し開発期間に余裕があれば、「シトロエン」に頭を下げなくてもよかったのかも



しれないが、



「ザ・ベストカー・イン・ザ・ワールド」を公言していたロールス社であるから、それ以上



の車の存在など許しておくわけにはいかない。







「シャドウ」は、17年間に、実に2000ケ所以上の改良を行っている。




デビュー時のシャドウは、クラウドVの6230ccV8を改良(プラグ位置がエンジン上部に



移動し整備性がよくなったのは大きい)したエンジンを積み、ミッションも「GM特許」も



のをロールス社で、ギヤを削り製作した4速ATのままであったが、それこそ、発表もなし



に毎年のごとく改良、進化を繰り返した。



書き出すには、膨大すぎるので個人的に、大きな?改良と思えるものだけ羅列してみる。







1968年:GM400型の3速ATに変更


      変速時ショックが少なくなり、1991年まで引き継ぐ




1969年:室内の造作変更


      発電機が、直流から交流(オルタネーター)に変更


     フロントサスのハイトコントロール・システムを廃止、後輪のみに(整備性向上





1970年:集中ドアロック機能追加。




      エンジンが、6230ccから6747ccに





1973年:US,カナダ仕様がシャドウ2に先行してウレタンバンパーに



       (マイルバンパー規制により)


       ホーンダクトの廃止(グリル左右にあった穴が無くなった)




1977年:「シャドウ2」に進化



       ウレタンバンパーに、


       パワステ機構がラック&ピニオンに



       室内デザインの大掛かりな変更 他







まっ、こんなところ、、乱暴に言ってしまえば、ほとんど手作りの車であるから、作業慣れ



してくる後期型になればなるほど完成度は高い。




もう少し言うなら、シャドウは年々、コストダウンのためと整備性向上のため、メカニズム



が簡略化されていく・・・通常、コストダウンは、ユーザーにとって有り難くない話である



が、シャドウだけは、別で、初期モデルのメカニズムが複雑すぎたため、簡略化された後期



型に近いほど、維持費は安いし、実用性は、高くなる。







「シャドウU」は、シャドウ系の最終モデル



多くの方が、「シャドウ」の場合、「シリーズ1」の「アイアンバンパー」の方が、カッコ



好い・・・と思っているはず、、



それでも、「ウレタンバンパー」の「シャドウU」に人気が集中するのは、



その「実用性の高さ」に他ならない。




「シャドウU」が「シャドウ1」に劣るのは、「アイアンバンパー」ではない、ことだけだ



「シャドウU」は古き好き時代のロールス・デザインと実用性を兼ね備えたモデルなので



ある。








実際、いまでも「コーニッシュ」が絶大な人気を保ち続けている理由は「シャドウに似てい



る」からであろう。



だから、「コーニッシュ」、別にオープンにならなくてもいいのに、って方も少なくない。



じゃ、最初から「シャドウ」でも いいのでは? と お思いなら、そうでもない、、、



「シャドウ」の極上個体を探している間に人間のほうの寿命が尽きてしまう。



人生は、あっという間、、、 極上個体が入手しやすい「コーニッシュ」を購入した方が



リアルだ。



もちろん、メカニズムも進化しているし、高年式って響きは、それだけでも、多くの方に



とっては 安心材料であろう。



とにかく、「シャドウU」は、1980年で生産は終わっているのだから、、。







生産台数(1977年〜1980年)





*ショート・ホイール(シルバー・シャドウU):8425台





*ロング・ホイール(シルバー・レイスU)  :2135台






ベントレー版





*ショートホイール(T2)   :558台



*ロングホイール(T2ロング): 10台





上記のとおり、桁違いに「ベントレー版」の生産台数が少ないが、、



この理由は、「シャドウ」のボディデザインには、ベントレーの丸いグリルより、ロールス



のパルテノングリルの方が、似合うと思った方のほうが多かったのである。 



平たく言うと、、この時代、ベントレーは、人気がなかった、、その人気が復活するのは、



数年後、、「ターボR」の登場を待つしかない。






因みに、「シャドウU」になってから、「ロングホイールベース」版(リアが10cm長い)



を「シルバー・レイス」と呼ぶようになる。(以前は、シャドウ・ロング・ホイール・ベー



ス)











近年、「シャドウ」の人気は世界的に高まっている。



ただし、それは、「極上個体」に限るが、。



生産中止から、40年以上、いよいよ「シャドウ」もコレクターズ・アイテムの仲間入り



という訳だ。




ロールスというモデル、、「クラシック・カー」と呼ばれるようになると、とたんに高額に


なる。



さらに、「ヴィンテージ」となると、手が出ないほど、、。



現在、「クラシック・ロールス」に属するのは、「クラウド」以前モデルだ。




「シャドウ」は、まだ なんとか「中古車価格」で購入できる。



が、今後の「極上個体」の価格高騰は 避けられまい。



今が最後であろう、将来 手が届かなくなる名車を 「クラウンも買えません価格」で



入手できるのは、、。











さて、やっと当個体の お話






ディーラー車・左ハンドル




1980年 ファイナルモデル 




国内登録は、1982年登録であるが、最終期モデルは、「SZ系」と同時製作されたので、



完成に1年以上を要したのも普通。で、81’82’83’登録も普通。




当社初入庫個体。




それもそのはず、当個体の国内登録は、1982年5月、その後



1983年9月:2オーナー目の方へ(車屋さんだけど)



1987年10月:3オーナー目の法人さまへ




それから、弊社入庫まで、ずーーーーーと、36年ほど ご所有




当社の創業は、1989年であるから、そりゃね




入庫時は「練馬33」ナンバーであったが、残念ながら、当社は、「多摩」なんで。





走行距離: 47.510km!




いかに大切にされてきたか、車を観れば一目瞭然。



晩年は、令和2年車検時:47.100km



令和4年車検時:47.400km と、お散歩の回数は減ったようだが、現地時点でも、絶好調







「外装」は、




「アクリル・ホワイト」



元色だが、入庫時には、ありがちなクラックが、お決まりの場所に。



で、当社塗装ファクトリーで、「シーザー認定号」仕上げ。(一時預かり人の任)



ほぼほぼ「オールペイント」、無論、ウレタン鏡面仕上げで。



で、キズなし、クラックなし、バリビカッ!



メッキ類パーツも、素晴らしきコンディション!





全長: 520cm



のちのSZ系ショート「スピリット」は、528cm、96年以降は、531cm、



「シャドウ」は、最後の「小さなロールスロイス」



そして、最後のコスト無視の意地モデル。



まず、このグリルのエッジのシャープさ、手が切れそう。



グリルとて、ハンドビルド。角の部分(裏)で、溶接して作るわけだが、そのつなぎ目が



わからない、そして、シャープ、、これが職人の技の見せ所。




もち、開閉部(ボンネット・トランク・ドア4枚・給油口)は、「アルミ製」。



開閉部から錆びやすいでしょ の配慮。これは、戦後スタンダードモデルの決まりだったが



「アルナージ」「セラフ」でやめた。



特筆すべきは、Aピラー部



ボディと一体! これ とんでもなく、コストも時間もかかる。



で、「SZ系」で、総分離タイプに変更。時間は、10分の一以下に短縮だわな。



とっても がんばってるモデルなのです、「シャドウ」は。










内装は、「マグノリア」コノリー




このカラーとコンディションも特筆もの。




「マグノリア」(カラーVIN:VM3997)は、標準カラーには存在しない。



のちに、ロールスモデルを代表する人気色「マグノリア」(モクレンの花)は、



この時代は、まだ、特別注文有料オプションカラー。




日本人で、注文した方がいたとは、、世界レベルでみると、そこそこ見かけるが。





「レザー」は、当然、オリジナル・コノリーのまま



わずかなスレ箇所などはリペア済み。



よほど大切にしてくれてないと、この状態で、現在には残らない。感謝。




「ウッド」は当社でリペアする必要 まったくなしの艶々状態



クラックがないのはビックリの奇跡の1台!






「シャドウ」は、内装レザーの使い方、、ハンパなく贅沢



シートの廻り部、ドアの内張りなど、1枚革で どーーんと



この贅沢すぎる張り方も 、スタンダードモデルでは、シャドウが最後。








シャドウ・マニアともなると



「シャドウ2」を前期型と後期型に分けたりなんかする。



79年、80年モデルに付く、「ヘッドライト・ワイパー」を持つのが 後期型。



当個体は、しっかり 後期型。




そして、当個体が すごいのが、、




新車時のまま「ラジオ」&「オーディオ」



時間が止まっている。




この◎コンディションと合わせて、コレクターズ・アイテムとしても、頂点個体。













では、まずは、お写真、怒涛の「136枚」を、ご参考に↓





*「機関系」の解説は、最終章に↓








   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   



V8 OHV 6747cc 総アルミ合金製エンジン







エンジンは、言わずと知れたロールス製・総アルミ合金・V8 OHV 6747cc。



1970年に6230ccから6747ccに排気量UPしてから、「SZ系」「アルナージ系」、



最終、「ミュルザンヌ」まで(2020年 生産中止)、基本設計を変えることなく使用され



続けていた。



伝説のハンドビルド・エンジンである。




100万マイル耐久と言われる このエンジン自体に もはや説明は不要であろう。



オーナーより、長生きするエンジンなので、あれこれ考える必要はない。





シャドウで特徴的なメカニズムは、やはり、ブレーキとリアサスに使用されている油圧



システムであろう






よく、シトロエン特許の・・・と書いてしまうので、シトロエンの「ハイドロニューマチッ



ク」をそのまま使用している・・と勘違いしている方がいらっしゃるが・そうではない。



シトロエンが特許を持っているのは、「油圧調整バルブ」の部分のみであって、全体の油圧



システムは、ロールス独自のものである。



ブレーキ系統は、ほぼ完全に油圧に依存しているが、サスペンションは、フロントには使用



なし(68年で廃止)、リアには、自動車高調整も加え、油圧システムが使用されているが



、完全に依存しているものではないので、シトロエンのDSのごとく、エンジンを切ると



車体が、ぺったんこに下がってしまうものではない。5cmほどリアが下がるのみである。





「ブレーキ・システム」は、航空機会社ならではの発想もの。凝りに凝ってる。




ブレーキオイルは、2か所に。 これ、各2本のホースが、4輪のディスクに別々に。



仮に、1つのブレーキタンクが空でも、片方だけで、ブレーキが効く、60%ほど。



システム的には、




倍力装置付の2系統、倍力装置なしの1系統、更に、サイドブレーキで、4系統あり。



ブレーキがまったく効かなくなる ことは、この4系統が、一度に同時に故障したとき



のみ、それは、天文学的確率にすぎない。






また、シャドウ系と80年からのSZ系では、理屈は同じながら、油圧システムは変更



されている。



使用するオイルも、シャドウ系は、植物系のカストロール「RR363」、、SZ系以降は、



鉱物系のカストロール「ミネラルオイル」、、双方、逆に入れてしまうと、オイルライン



は全滅し(ゴムが溶ける)、大変な費用を要すことになるので最大の注意が必要。



ただし、物理的・ブレーキタンクの構造が違うから、間違えて入れるのは難しい。





この油圧システムに、ご興味がある方がいらっしゃれば、実車を見ながらご説明させて



いただく、、それのが、分かりやすい・・・



文章で書くと、、例えば、、



エンジンをかけると、エンジンVバンク前後にあるオイルモーターが作動し、NO1,



NO2のオイルタンクからオイルが循環しはじめ、、一つのオイルラインは、メインアキュ



ームレーターへ入り、そこから、全ブレーキに2本づつのオイルラインへ(1本がダメにな



ってもブレーキを利かせるため)、で、、もうひとつのオイルラインは、リアサス上部に



ある「ラム・シリンダー」へ、更に、、、




なんて、分けがわからなくなってしまいそうだが、、実際には、そんなに難しくはない・・



飛行機会社ならではの安全面を重視した、素晴らしく好く考えられたシステムである。




ここで使用されるメインアキュームレーターは、SZ系とは、パーツが異なり、シャドウ



(SY系)は、オーバーホールキットが出ているのでオーバーホールすることが出来る。



SZ系の1.5倍ほど長持ちするが、3年くらいおきには、オーバーホールしたほうが好い。






この油圧のサスペンションが、天使の乗り心地を支えている。




海原を滑走する大型クルーザーのごとし、。




ただ、そのあまりに高額コストで「SZ系」までで終了、「アルナージ」では使っていない








走ってみた:




キーを差し込み、右に回す、警告ランプが点灯、ここで、5秒待機、セルを回す。



エンジン一発始動、伝説が目を覚ます。



ここから、サイドブレーキ以外の警告灯が全て消えるまで暖機運転。



この間に、リアサスにオイルが廻り、車高を上げる。



オートチョークなので、暖まっていないうちは、勝手に回転が高い。



3分ほどか、アクセルを軽く踏みこむ。これで暖気が終わっていれば、回転が落ち、



アイドリングが安定する。暖まっていなければ、回転は落ちないから 分かりやすい。




安定すれば、英国高級車の手本、恐ろしく細身のシフトレバーを やさしく(電気接点)



「D」の位置へ。



走り出す、「SUツインキャブ」なんで、加速は、のちのインジェクションモデルよりも



敏感で速い。




「シャドウ」が、なにより勝るのは、その乗り心地、絶妙な塩梅の ふんわり




(*当個体は、最初のお散歩時には、リアハネあり、楽勝で直しときます)




う〜ん、エンジン自体は整備したてみたいに、絶好調〜




当社で点検整備する前から、こんなに調子良き個体も珍しい。



前オーナー様の36年に及ぶ、愛情が伝わってくる。




これはね、この個体はね、素晴らしいです。





さあ、お次は、あなた様の番




極楽浄土号







「一時預かり人」募集〜!